LATRIP (1)

さて、最悪の滑り出しはさておいて

今回最大の渡米目的はICHIROの車両購入のお手伝い。

きっちりお勤めを果たす事とする。

車輌下見中、KPは別でレンタカーを借り、自分の用事を済ませるようだ。

車両購入の際は渡米前から色々なウェブサイトで数台あたりを付け

LA在住のシッパーにアポを取ってもらってから渡米するのが通常

今回も同じようにICHIROに手解きし、数台のアポを取り付けておいてもらった。

今回あたりを付けているトラックは5台

初日はいつものんびりするのだが

今回は初日から飛ばして、ホテルから近い中古車屋の車を見に行く事にした。

第一希望ではなかったのだが、とりあえず手始めに…

ホテルのチェックインを済ませ、スーツケースを置き

いざ中古車屋へ!

PCHをロングビーチ方面に南下

ナビが案内する距離が縮まるにつれて、見たことのある通りに街並み

嫌な予感がしてきた…

やはり嫌な予感は的中。

その車屋は以前にも来た事があり

しかも見た車は事故車ばかりだった経験がある。

無事故車という事や車輌情報も確認した上にアポを取っていたのだが

やはり…

車はフロントに修復歴があり、買えたもんではない…

この車屋…やはり最悪だ…

5台中、1台が候補から消えた…

まあ第一希望はこの車ではないし…

気を取り直して明日に備える。

初日の買い出しを終えホテルで次の日の作戦会議をして

初日の夜は更けていった。




さて翌日

第一希望の車の持ち主からは連絡が途絶えたと

シッパーからの悲しいお知らせ。

まだ希望は捨ててはいないが

第二候補を見に行くことにした。

ナビに目的地をセットして、いざ出発。

今日はKPとはレンタカー屋でお別れ。

ICHIROと2人で中古車屋に向かう。

今回の購入予定の車はFordのトラック

この第二希望、シェルが付いていてウェブ上では距離も少なく程度もいい

1時間ほど走って中古車屋に到着

ICHIROが得意とするJEEPのピカピカのカスタムカーが何台も展示してある。

これは期待が持てる。

気をよくした2人は颯爽と車から降り

セールスマンに声をかける。

アポを取っておいたので話は早い。

担当者が「車はこちらです」と案内してくれた。

だが…嫌な予感。

遠目に見てもシェル付きのトラックなど見当たらない方向に歩いていく3人

で、店員は「この車です」

「走行距離が少なくていいくるまですよ~」と…

YASU「ウェブで見たシェルが付いてないけど?」

切り出すと店員は

店員「あっ、シェルは先週売ったんだよ」

「距離少なくていい車でしょ~」とまた続ける…

ICHIROとボクはあっけにとられてしまった。

距離、距離、言ってシェルごまかすつもりだ…

まあ、まあ、こういう事もある、シェルより車だ。

後でがっちり値段交渉してやる!と心に誓い

とりあえず車を見てみる。

すると…これも事故車…

YASU「これフロント事故してるよね?これでなんでクリーンタイトルって言ったわけ?」

店員「あ~前のオーナーが…軽くぶつけただけだとクリーンタイトルなんで…」

なんて言い訳が返ってきた。

軽くないじゃん…軽いのはお前だよ…

5台中2台目が候補から消えた。

なるほど…このJEEPのカスタムカーも

事故を隠すためのカスタムか…

なんとなくこの店のやり方が見えてきた。

とりあえずICHIROがラングラーを見たいというから展示場に向かっている途中

店員はボクに近寄り

「シェルはさ~安くで仕入れれるアテがあるから心配するなよ」

「スペシャル価格であげるからさ~」だと…

なんでこっちがシェル代払う必要があるんだよ、勝手に売ったくせに…

怒りを超えて笑えてきた。

まったく…

やれやれである…

がっかりな報告をシッパーに告げ

第一希望の売り手に再度連絡してもらう。

が…

やはり返事は返ってこないようだ…

取り合えず3台目を見に行く事にした。

車はHONDAのディーラにあり、こちらは期待が持てそうだ。

経験上、ディーラーの中古車は程度のいい事が多い。

アポを取ってたのは女性だったのだが

名前がわからず、とりあえずその場にいた東洋人のセールスのおじさんに

トラックを見に来たことを告げる。

なんとなくノリのいいオジサンは颯爽と

付いてこい!と…

車はどこだ?と…

で、どの車だと?…

颯爽とは裏腹に全然わかっていない様子…

さっき言ったよね…FORDレンジャーって…

結局、百台以上あるだろう車輌の中から

自分達で車を探し、これを見たいんだと告げる。

おっさんは「これか~よし待ってろ、鍵を持ってくる!」

何処かに行ってしまった。

その間に車の外装チェック

傷が多く、あまり程度はよくない。

もしこれを買う事となれば、かなりの補修が必要だ…

ICHIROの顔が曇ってきた。

数分待って、おっさんはようやく帰ってきた。

鍵を開けてもらい車内をみると程度はまあまあ

エンジンルーム内も問題はなさそうだ。

おっさんは「よ~し試運転に行こう!」と言って来た。

だが、またここで問題が…

セキュリティーがかかっておりエンジンがかからない。

在庫の中古車すべてに盗難防止のセキュリティーが施してあり

これをセールスマンが持つスマホから解除できるみたいなのだが

おっさんは解除できなくあたふたしている。

「俺はこの最先端技術が嫌いなんだよ~」なんて言ってる…

まあ、なんとなく…そうだろうね…

で、結局、整備士登場

このセキュリティーシステムごと取り外す事になった。

いやいや…システム操作できる人連れて来いよ…

なんだかんだで取り外しに時間がかかってるところに

最初にアポを取っていた女性が登場

見た感じ身長190cm体重120kg

お相撲さんかと思った…

で、客を取られておっさんにご立腹

2人は言い合い、もめている。

取組が始まりそうだ。

が、はっけよいの掛け声はなく、女性はぶつぶつ言いながら立ち去って行った。

ようやくエンジンがかかり試運転。

ボクが運転する事となったのだが

試運転中、おっさんは日本旅行に行った事を永遠と話し続けていた。

「日本はなんでも小さいよな~ホテルも道路も車も~」

なんて…試運転に集中できないほどの大声で…

まったく…

一通り下見を終えたが、この車輌、甲乙つけがたく保留

「また来るよ」とおっさんに告げると

「いつ来るんだ、明日か?明後日か?」「明日はオレいないぞ、来るなら明後日来い」

自分勝手言い放題。ICHIROも気を悪くしている。

ICHIRO「買うならあの女性から買いたっす」

YS「そうだね…まあとりあえず帰ろう」

こうしてHONDAを後にした。

相変わらず第一希望とは連絡が途絶えたまま

ここの時点で5台中3台は候補から消え1台が保留、残り1台

LAから3時間ほど離れたサン ルイス オビスポの車を残すのみとなった。

もう後がない、9回裏フルカウントといったところ。

これからサン ルイス オビスポ行くのは時間的に無理なので

明日、早朝に出発して向かう事に決定、この日の下見を終えた。

その後、KPとホテルで合流

KPは明日は予定がないらしく、3人でサン ルイス オビスポに行く事になった。

明日は5時起き、その夜は皆、ビールもそこそこに早めにベッドにもぐりこんだ。




下見を初めて3日目、早起きしてバタバタと身支度をしホテルを後にする。

最後の1台に希望をもちつつ、サン ルイス オビスポに向かう。

KPは昔イベントでよく行ってたらしく

KP「久しぶりだな~懐かしいな~」と

道中の3時間、色々話しながら向かったのだが

後がない助手席のICHIROは最後の1台とあって、話も上の空

緊張気味で昨夜も不安のあまりほとんど眠れなかったらしい…

何度も合掌し「どうぞいい車でありますように」とつぶやいている。

サラぺのパーカにデッキースのワークパンツを着た、

色黒肌でオールバックに髭顔のICHIRO

その風貌はどう見てもメキシカン


LATRIP (6)


YS「その恰好で合掌はないだろ~ 」

KPは大爆笑、ICHIRO引き笑い…

YS「大丈夫、大丈夫、BMWのディーラーの中古車だから程度いいはずだよ~」

なんて全く何の根拠もないのだが、ICHIROを励ましながら現地に向かう。

途中、ICHIROは助手席で合掌しながら…

緊張のあまり、寝てた…

注(運転席;大先輩運転中、後部座席;大先輩道案内中)


ようやくサン ルイス オビスポにあるBMWのディーラーに到着

車を下見する。

程度も良好、試運転も快調、セールスマンもとても感じがいい


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おまけに鍵も多い!?





ようやく車が決まった。

LATRIP (4)






実はここまで手こずったのはボクも初めて。

ICHIRO、

入国に続いて…

持ってますね…

何はともあれ無事に今回の渡米の任務完了

ボクもICHIROもほっと一安心

胸を撫でおろした。

時間はとっくに正午を過ぎている。

お腹もすいてきた。







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少し南下して、ピスモビーチまで足を延ばし

少し遅いランチをする事にした。

少し調子にのった、ICHIROの運転で…


















男三人LA珍道中

続く...



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